アルツハイマー病の誤解―健康に関するリスク情報の読み方 (かに心書)



アルツハイマー病の誤解―健康に関するリスク情報の読み方 (かに心書)

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現役の記者によって書かれたことの意義は大きい
認知症を扱ったと思われそうなタイトルだが、アルツハイマー病に関する誤解=アルミニウムが原因という学問的には過去のものになった説がなぜ広まり、未だに報じられるかということから、副題の「健康に関するリスク情報の読み方」、言い換えればメディアとの付き合い方を論じた本である。

なぜ数字で見れば子供の犯罪は減っているのにどんどん悪化しているような印象がもたれ、学校の監獄化が進められるのか? そんなことをしても意味が無い。一番子供を殺しているのは親なのだから、というのはどきりとする指摘。

このようなメディア情報のイメージによって、無意味なダイオキシン、環境ホルモン対策、BSEの全頭検査が行われる。新聞などで冷静に論じられることの少ないリスクの費用便益分析に触れているのが興味深い。

地味な書物だが、現役の新聞記者(編集委員)によって書かれたことの意義は大きく、単に告発するのではなく、読者、そして報道される側に立って対策を教示しているのが貴重。原発やら中国産食品が騒がれている時世にもっと注目されて良い本であろう。

リスク評価に著者の思いを見る
 著者は毎日新聞社編集委員であり、これまでもダイオキシンや環境ホルモンなどの環境リスク情報を報道し続けてきた新聞記者です。

 本書はほぼ2部構成と言えます。前半は科学的に解明されてきたアルツハイマー病に関する情報を取り上げ、後半はリスク情報に関する著者の考えが述べられます。

 アルツハイマー病に関する前半部分は、一般に流布する噂に対する科学的知見や、発症や予防のメカニズムについての新しい研究成果を紹介しています。しかしながら、情報量が多すぎ、エピソードの羅列という感は否めません。

 本書の魅力は後半で取り上げられる、リスクに対する著者の主張にあります。曰く、食の安全については消費者側の安全ばかり優先されるが、生産者側のリスクがまったく省みられていないことはおかしい、曰く、リスクの大小とそれを回避するために必要となる費用、およびその費用を別の政策に振り向けた場合に得られるだろうメリットを比較すべきであること。これらの主張に私は大いに共感しました。
 メディアからの情報には不安を喚起する内容が多いという話では、新聞記者としての著者の経験が滲み出ています。

 役所の行なうことはほとんどが悪政であるという、あまりに単純化された見方がされている箇所がいくつかある点は残念に感じます。これは言葉を変えれば、記者としての正義感の証であるのかもしれませんが、消費者、生産者、行政の三者の立場を公正に理解する努力に果てはないと思います。

 アルツハイマー病についての常識が次々と覆される前半部分も楽しめましたが、リスクに関する後半部分のみを充実させて一冊とした方が良かったのではないかと感じます。

天に唾と感じた
アルツハイマー病とアルミニウムの関連を否定すると腰巻きに書いてあったのに興味を覚えて読んだ。しかし、その解説、もっと言うなら、生理学的なレビューと歴史のレビューが無く期待はずれだった。

全体としては、一般に流れる科学情報が、リスクを煽ることばかりであることを告発した、という側面の強い本である。ただ、その最大の責任はメディアにある、もっと言うと、記者の不勉強にあるのに、毎日新聞の編集委員が告発したって仕方ない。しかも、疫学調査結果の取捨選択が恣意的(つまり、非科学的)に見えるなど、やはり不勉強に感じるところもあって、「まずは身内からなんとかしろよ」という印象が第一だった。

それでも、メディアへは丁寧に噛んで含めるように、しかもしつこく対応続けないといけない、という話は重要だと感じた。ちょっと勉強すれば当たり前の話なのでバカバカしく思えても、何度でも繰り返して説明を続ける必要があるのだ。リスクが大きいと信じている側は、メディアになんとかして接近して、繰り返し説得し続ける。その中で、記者がしっかり勉強して、適切なリスク判断をしてくれることを期待するのは間違っており、正確な知識が手軽に手に入るようにしっかり準備をしておく必要がある、と説いている。電力会社などがいくら広報してもメディアが信用しないのを見ていると、メディア側の問題点の方が大きいようにも思うが、新技術を普及しようとする側は十分な準備をしているか点検する必要はあるだろう。

どっちつかずの感あり
アルツハイマー病についてもう少し知っておきたいと思って読んでみましたが、
内容は「健康に関するリスク情報の読み方」という副題のほうに近いでしょう。

見出しごとの文章は迫力を感じますが、アルツハイマー病と認知症についての
解説が2章の最後に出てくるなど、1本1本の記事をつないでいるようで全体
の構成がこなれていない印象がします。

4章の「リスクは経済問題だ」については、規制強化の一方で新たな被害者が
生まれているという、新聞記者ならではの視点で興味深く読めました。

健康情報とメディアという観点では、松永 和紀著『メディア・バイアス あやし
い健康情報とニセ科学』の方をお勧めします。

現実を生きてしぬかん
アルツハイマー病に恐怖があり、どうにかその予防をと願う読者には本書は肩透かしとなるでしょう。
ボクシングはしないとか、魚を食べろとか、健康的な生活をなんて読んだところで、自身の恐怖の軽減にはつながらないからです。
でも、その読み得でないところに、本書の真骨頂があります。
不安の増幅がメディアの受けての求めるところであり、メディアは安全よりも危険を報道しがちであるというのが本書の主張です。
現役の新聞記者の議論なので、その説得力は高かったです。
本書でアルツハイマーはリスク報道を読み解くための「ダシ」であり(真実役に立つ健康情報ですが)、著者のもっとも著したい事は日本の食の安全性の高さや、医療の高度さとその実態を報じず危険であると不安をあおるメディアの実態です。
情緒的な(もしくはヒステリックな)些細なリスクへのメディアと市民の過剰反応が、国全体レベルでの適切な保健を妨げる可能性を、これでもかと実例を連ね示します。
本書は現代社会は以前よりも安全で快適になっており、不安を殊更に感じながら生きなくてもよいことを教えてくれます。
大衆が「××は危険だ」との情報を求めるために、メディアは競って危険の情報を流している実態を知る上で、本書になう役割は大きいと思います。
ただ、終盤に示された専門家たちによる記者セミナーで、正確なリスク情報を示し、現状を打破するという議論には一抹の違和感を感じました。問題は科学に不案内なメディア関係者が、針小棒大に不安をあおることであって、調査研究側の不誠実や情報開示の不足ではないと思うからです。無論、専門家たちには自身の成果を、広く知らしめるための不断の努力が必要です。
しかし、専門家に教育されることで問題が解決されてしまっては、メディアの自浄作用が放棄されているとなるのではないですか。
記者たちが科学リテラシーを向上して、無闇なリスク情報による読者の不利益を回避することが求められていることであり、その困難さを読者の嗜好や記者の忙しさに帰してしまってはならないと思います。

生き易い日本の私と、もう少し多くの人が認識できたら、社会は変わってゆくでしょうね。




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